生徒の悩みをキャッチ ~いじめや不登校を察知~
生徒の悩みをキャッチ ~いじめや不登校を察知~
昨年からスクールコンケアを試験導入して下さっている越谷市立平方中学校(導入時のお話しはこちらを参照ください)のいじめ・不登校対策への取組を、埼玉県東部地区の有力地方紙『東武よみうり新聞』の一面に取りあげていただきました。
同校は昨年(2017年)6月から1年生3クラスで試験導入していましたが、この春から全校生徒に対象を拡大し取組んでくださっています。
スクールコンケアは私たちNPO法人東京メンタルヘルス・スクエア、関連会社の東京メンタルヘルス株式会社、そして開発企業の株式会社コンケアの3社が共同で進めている『いじめ・自殺・不登校を学校からなくそう』とする取り組みです。
生徒たちは「毎朝の自習時間」と授業後の「帰りの会」の1日2回ずつ、その時の「気持ち」をタブレット上の「虹」から「雷」までの6種類の中から選びタッチ。
クラウドシステムの中に蓄積された個々の生徒の気持ちをコンケアが分析して、悩みを抱えて声掛けをしたほうが良い生徒についてのアドバイスが教員や養護教諭に届けます。
連絡を受け取った先生方は、ご自身の日ごろの観察とコンケアからの連絡の両情報を参考に、生徒への適切なタイミングに声をかけ対話をすることで生徒たちの心、気持ちに適した対応を進めています。
全国に先駆けて最初に導入を決めてくださった大西校長先生は「教師のプロの目と、ICTの客観データの活用で生徒のこころの動きが把握できる」と評価し、最先端で最もコンケアに深く携わってくださっている2年の学年主任の倉持先生は「『天気』の変化が激しい時は、先生にかまって欲しいというサイン。友人関係や家庭環境などの変化に教師が気付くチャンス」とお話ししてくださっています。(東武よみうり新聞より)
また今年からはスクールコンケアの分析情報を元に東京メンタルヘルスのカウンセラーが同行に訪問。各学年の先生が気をかけている生徒の日常の様子とコンケアの結果を合わせて、対策について協議しています。
平方中学校で採用されたことがきっかけで、現在関東を中心に5校でスクールコンケアによる「いじめ・不登校」対策が進んでおり、そのほか数多くの問合せをいただいています。
私達東京メンタルヘルス・スクエアではすべての学校から「いじめ・自殺・不登校をゼロにしたい」と想い、スクールコンケアを中心にした活動を継続しています。
多くの学校と一緒に取組み、笑顔であふれる学校づくりの力になりたいと願っています。
「いじめ・自殺・不登校プロジェクト」「スクールコンケア」に興味を持ってくださった方は下記あてにご連絡ください。
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東京メンタルヘルス・スクエア
企画・広報局 みずぬま
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子どもを自殺から守りたい ~SNSカウンセリング~
【子どもの自殺率】
我が国の子どもの自殺率、その重い現実は、ご存知の方も少なからずいるところでしょう。
「15ー34歳の若い世代で、死因第1位が自殺であるのは、先進国(G7)の中で日本のみ」(厚労省)
この重い現実を打開するために、私たち東京メンタルヘルス・スクエアにできることはなにか?
【自殺を防ぐためには】
自殺を防ぐために一番大切なことはなにか?
防ぐためには、なにはともあれ、子どもたちのSOSの声をキャッチしなくては、まずはじまりません。
けれども、ここで、「SOSの声をあげることは、想像以上に難しい」ことを、私たちは忘れないようにしなければなりません。
「テストで100点をとったよ!」
「運動会で2位に入ったよ」
「◯◯さんと友だちになったよ」
といったことなら、多くの方が、胸を張って言いやすいことでしょう。
しかし、
「なぜかわからないけど、男の子にいじめられてるの」
「学校に、行きたくない」
「ときどき、ボクなんて死んでしまった方がいいと思う」
といったことは、そう思った子どもが10人いたとして、その切実なる声を口にして、伝えられる子はいったい何人いるのでしょうか?
おそらく、思ったことをそのままストレートに、すぐに誰かに言える子は、かなり少ないことでしょう。
【3つの解決策】
であれば、どうしたらいいか?
ここで、考えられる解決策は3つあります。
①子どもたちがSOSの声を出せるように教育していくこと
②周りの人々が、子どもたちの声になっていないSOSサインを見つけることができるようにすること
③子どもたちがSOSの声をあげやすい相談方法を作ること
①は、文科省が「SOSの出し方教育」ということで、いま普及を始めています。
②は、これまでの自殺予防対策の柱である、ゲートキーパー研修などで広めてきています。
そして、これまで、意外にも十分ではなかったのが、③のSOSの声をあげやすい相談方法でした。
現在、スクールカウンセラーは多くの小中学校にいます。ただし、週に1ー2回しか学校にいないし、相談室に行くのはとても勇気が必要です。また、夏休みは学校もなければ、スクールカウンセラーにも相談できません。
「24時間子供SOSダイヤル」(0120ー0ー78310)はあります。ただし、いま子どもたちは電話をほとんど使いません。
では、いったい子どもたちにとって、もっとも弱音や本音を言いやすい相談方法はなんでしょうか?
【SNS相談(チャット相談)をスタート】
それは、最近、普及が始まったばかりですが、SNS相談でしょう。
SNS相談にはいくつかの方法があります。なかでも一番利便性が高いのは、LINEを使った相談です。
いま、スマホを持っている中高生は多く、スマホを持っている子どもたちはほぼLINEを使っているためです。
LINE相談の相談しやすさはというと、子どもたちが一番慣れているコミュニケーション手段ということに加え、声を出さずに相談できるという利点があります。
極端にいうと、家の中で家族とテレビを見ながらでも、スマホ片手に相談できてしまうのです。電話だと、声を出さなくてはなりませんので、そうはいきません、場所を選びます。
いつでも、どこからでも、スマホひとつあれば相談できるのです。
このため、私たち東メンタルヘルス・スクエアでは、この3月からLINEでの相談をスタートしました。
案の定、子どもたち、若年層の利用がほかの年代と比べて有意に高くあります。
東京メンタルヘルス・スクエアでは、LINEでの相談を継続していきます。さらに、カウンセラーのスキルも、これまで以上に磨き続けていきます。
そして、子どもたちが「死にたい」の声を心おきなく言える場として、私たちスクエアカウンセラーは、末長く活動を続けていきたいと考えています。
【安心して語り合える場所】
「先生、死にたいと思ったことある?」
<あるよ、あんまりないけど>
「あるの?」
<人に裏切られたとき、人間関係で辛い思いをしたとき>
「そうなんだ。なんでみんな『死にたい』って思わないんだろうね?」
<あるだろ、『死にたい』って思うことくらい、一度や二度や三度や>
こんなことが、安心して言える場があるといいですね。
言いたくても言えないこと、言ってもわかってもらえないこと、そんなことがあって、その思いを心の中に閉じ込めておくことは、とても辛いものです。
私たち、東京メンタルヘルス・スクエアは、そんな思いを自由に言える場を作ることを、大切なミッションとしています。
2018年、子どもたちが、いま一番言いやすい方法は? と考え、SNS相談(LINEによる相談)をスタートしました。
子どもたちの『死にたい』の声を聞き、『死にたい』思いを受け止め、『死にたい』を行動化しないようにしていくこと、そんな場であり続けたいと願っています。
NPO法人 東京メンタルヘルス・スクエア 常務理事
SNSカウンセリング リーダー
新行内 勝善
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『KIZU -傷-』 ~Sharp objects~
『KIZU -傷-』
スターチャンネルにて10/15(⽉)より毎週⽉曜よる11:00他、独占日本初放送スタート
©2018 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.
この7月にアメリカHBOで放送が始まったドラマ、Sharp objects。
南部特有の閉鎖的な文化と過干渉の母親の元で育った影響で幼少期から心に深い傷を負い、アルコールに救いを求め世間から距離をおいた生活を送る新聞記者カミル・プリーカー(エイミー・アダムス)の物語。
カミルは精神科の病院から退院し職場復帰してすぐ、故郷の小さな町で起きた残忍な連続少女殺人事件の取材を任されます。渋々田舎に帰り、事件を追っていくうちに自らの忌まわしい過去や母との確執のトラウマがよみがえり、葛藤しながら事件の真相を追っていくー。
このシリアスなドラマの最後には、世界中のトラウマを始め、悩みに苦しんでいる方たちのために、Resorces(相談の場所)が紹介されており、その日本の相談場所として、私たち東京メンタルヘルス・スクエアの「こころのほっとライン」と「お話しパートナー」が掲載されました。
https://www.hbo.com/sharp-objects/resources
アメリカで放送が始まった直後の7月中旬、電話でSharp objectsのエンドロールで紹介したいという連絡をいただきました。
世界中で放映予定の人気ドラマに掲載されることを光栄に思う気持ちと、世界中で放送されるトラウマを中心とするドラマの相談先が自分たちでよいのだろうか?という考えで内部でも意見が分かれました。
でも最後には「ドラマを見た悩みを抱える人の気持ちが少しでも楽になるきっかけとなるのであれば、自分たちでできることは精一杯やりたい」という気持ちでまとまり、掲載していただくことにしました。
8月20日現在、アメリカでは全8回のうち5回が終了し、映画やドラマを評価するIMDbで8.3point(注1)と非常に高い評価を維持しています。
そして遂にこのドラマ、Sharp objectsの日本放送が決定したそうです。
邦題は『KIZU -傷-』
10月15日(月)23:00からスターチャンネルでの放送です。
インナーチャイルド、トラウマと接することが多いカウンセラーには必見のドラマです。
このようなご紹介から、少しでも心に苦しさをお持ちの方が私たちの無料相談、低価格相談を利用し、こころのつかえが軽くなってくださることを願っています。
(注1)IMDb The Ineternet Movie Database
世界中の映画やドラマ等のデータベースで10点満点で作品を評価。
歴史に残る名作は8.5ポイント以上(羊たちの沈黙が8.6ポイント、千と千尋の神隠しが8.5ポイント)と言われており、8.3ポイントはとても高い評価です。
※最終話終了時点で8.3ポイント。非常に高い評価を最後まで継続しました。
東京メンタルヘルス・スクエア 企画・広報局 みずぬま
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死の体験旅行
人は死に行くとき、何を見て、何を思うのでしょうか。
死に行く道のりを疑似体験するワークショップが「死の体験旅行」です。
元々は終末期医療に携わる医師・看護師などのスタッフ向けに実施される、患者さんの立場や気持ちを理解するためのワークショップです。
今回、一般の人向けに実施されたワークショップに参加してきましたので、ご紹介します。
「死の体験旅行」では、旅行前の準備として、20枚の小さな紙にひとつづつ、自分にとって「大切なもの」の名前を書き込みます。
そして旅行が始まると、司会者が物語を静かに語ります。
「あなたは、体調が優れない日々が続いたある日、意を決して病院に行くことにしました‥‥」
物語を聞いているだけなのに、自分のことのように感じられて、思わず引き込まれます。
「‥‥会社を休んで、入院することになりました。手元にある紙を一枚選んで、ぐしゃぐしゃに丸めて床に捨ててください」
紙に書いただけとはいえ「大切なもの」を丸めて床に捨てる行為には胸が痛みます。
物語はゆっくりと、確実に、避けられない運命に向かって進みます。
その間、様々な感情が湧き上がります。
怒り、期待、悲しみ、申し訳なさ、感謝、諦め‥‥。
それらの感情を味わいながら、紙に書いた「大切なもの」をひとつ、またひとつ、捨ててていきます。
「大切なもの」の中にも、簡単に捨てられるもの、なかなか捨てられないものがあることに気づきます。
そうして迎えた最期の瞬間。
死ぬ瞬間の気持ちは、想像していたものとは少しだけ違いました。
一番最後まで手元に残った「大切なもの」も意外なもので、自分の選択に驚きました。
「死に行く道のりを疑似体験する」ことは、死への道のりを理解するだけではなく「何を大切にして生きるか」に思いを馳せる時間にもなりました。
もしあなたが、死の体験旅行に出かけたら。
何を見て、何を思うのでしょうか?
無料・低価格でも安全な相談場所を目指して
私たちNPO法人東京メンタルヘルス・スクエアの理念・願いは、「話をちゃんと聴いてくれる人が傍にいる社会をつくる。」です。
2012年の設立以来、その時その時に必要と思うことを足し加えて、無料相談と低価格の対面カウンセリングを中心とする現在の形を作ってきました。
電話とチャットの無料相談の「ほっとライン」では、合わせて年2,000件以上の、そして対面式のカウンセリングの「お話しパートナー」では年間400件ほどのご相談を受けています。
もしも、自分の気持ちを話したいけれど話す相手がいないという方がいらっしゃったら、私たちの無料相談、低価格カウンセリングを利用していただきたいと願っています。
カウンセリングを受けようとすると、1万円くらいかかってしまうこともあります。
初めて行くにはちょっと躊躇してしまう金額ですよね。
誰かに気持ちを聞いてもらいたくても、お金がなくてカウンセリングに行くことが出来ない。
初めてのカウンセリングが怖くて、あと一歩前に進むことが出来ない。
そんな問題を解決するために、無料でも、安くても、しっかりしたカウンセリングや悩み相談の場所を提供したい。
そして、それが無理ではない仕組みを作り、いつまでも継続したい。私たちはそう考えまた。
東京メンタルヘルス・スクエアには現在約80名のカウンセラーが所属していますが、みんな「困っている人の助けになりたい」という気持ちを持ったカウンセラーです。
本職は、個人カウンセラーであったり、学校の先生であったり、企業の人事や営業担当者であったり、主婦であったりと様々です。
でもみんなに共通するのはカウンセリングの専門スキルを持っていることと、人の役に立ちたいという優しく熱い想いを心に抱いているメンバーだということです。
歴史と実績のあるカウンセリング企業「東京メンタルヘルス株式会社」の後ろ盾を得ながら、スキルを持った有志メンバーで運営していく。
この形をとることで、「無料、低価格でも安心できる相談場所」、無料の電話・SNS相談、3000円の対面式カウンセリングという仕組みを作りました。
私たちが準備している相談、カウンセリングは現在3種類です。
●こころのほっとライン:無料の電話相談 1回20分、1日2回使用可
https://www.npo-tms.or.jp/service/hotline.html
●こころのほっとチャット: 無料のチャット相談 1回50分、1日1回
https://www.npo-tms.or.jp/service/sns.html
●お話しパートナー: 3,000円の対面式カウンセリング。1回50分 池袋駅から徒歩5分
(月に1回無料体験の日を準備しています)
https://www.npo-tms.or.jp/service/ohanashi.html
みなさんの安心できる居場所でありたいと思っています。
一度私たち東京メンタルヘルス・スクエアをのぞいてみてください。
企画・広報局 みずぬま
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お願いします。
2018 吃音・クラタリング世界合同会議に参加してきました
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チームです。
7月13~16日に、広島の平和記念公園にある広島国際会議場にて開催されました、「 2018 吃音・クラタリング世界合同会議 」 に参加してきました!
地元4時47分発の始発電車に乗り、新幹線も始発、それでも開会式には間に合わず、汗だくの猛ダッシュ滑り込みセーフ!で聴講できた Bruce Wampold 博士の開幕基調講演 「 癒しの社会基盤 」は、心理職の立場からすれば 「 本当そうだよねぇ 」 と、しみじみ改めて初心に戻って確認できるような、根幹となる大切なお話でした。
この合同会議は5団体の共催で、日本からは日本吃音・流暢性障害学会と、当事者の団体であるNPO法人全国言友会連絡協議会(全言連)が入っており、セラピスト側は、大抵が言語聴覚士の方々。心理職なんて本当にわずか。。。
ですが、Bruce Wampold 博士は心理職の方でしたので、なるほど納得の内容でした。
発吃に関する技術(?)的な言語聴覚の専門スキルのプラスアルファ、もしくはその土台となるものは何か。
… そんなお話に、ここ私達ほっとラインでも、十分にお役に立てるものがあるなと確信した次第です。
また、会場では、2年前に教えを戴いていました懐かしい方々との再会があったり、その方々と、Bruce Wampold 博士の講演の意義をリアルタイムで一緒に確認し合えたりもでき、とても嬉しいひと時でした。
また、新しい出会いと繋がりの中で、ほっとラインでの電話練習に関しての新しいヒント等も頂戴できたりと、ありがた~い機会にも恵まれました。
言語聴覚士の経験と知識、カウンセラーの経験と知識、2つのフィールドが融合すると、1+1=10にも20にもできることが広がっていくのも感じました。
折しも、「 生物 - 心理 - 社会モデル 」 「 多職種連携 」 なる言葉を最近頻繁に見聞きする筆者としては、 「 コレぞまさに! 」 な現場の感覚 … 。
吃音も、CALMSモデルではないけれど、発吃に関する口腔運動機能(M)、言語面(L)だけでなく、
心理的側面(C)(A)、社会的側面(S) もしっかりサポートできてはじめて整うものがあるのだな、と再確認してきました。
ヒントをくださった言語聴覚士さんとの出会いの他、
ポスター発表での貴重なお話の数々も、大きな宝となりました。
国リハ(国立障害者リハビリテーションセンター)の先生方のポスターには、もう、もう、どのポスター発表も喰い入るように学ばせて戴きました!
「この詳細の本はいつ出るんですか!?」と思わず訊いてしまったくらいです (笑)
「その前に論文発表ですかね。」と笑って返されてしまいましたが(^-^)
その勢いで聴講した、3日目の基調講演 … 国リハの森浩一先生の「認知行動療法を使った成人吃音のグループ療法」では、目と耳全開で聞き入っていたのは言うまでもありません。
国リハさんは他にも、社交不安尺度の「電話」部分に焦点を当てたポスター発表もして下さっており、筆者のここ「吃音ほっと」を始めた動機どんぴしゃり!
ますます 「 吃音ほっと 」 のモチベーションを上げて帰ってきました。
実は、自腹をはたいて東京から広島へ参加したのは、筆者だけでなく、もう一人「吃音ほっと」の仲間がいました。
その日の夜に届いた彼女からのメールをシェアします。大会に初めて参加した彼女の率直な気持ちを感じてください。。
「なんかね、こんな風に当事者と専門家がいい意味で混じりあってる大会って、今まで経験したことなかったなって。
堂々と吃音と共に言いたいことを言ってる姿は、本当に生き生きしてて、あー自分を生きてるからだよねって思った。
もちろんこの大会で話せる人は、多くのものを乗り越えて今にいたる人。
それができないでいる人の方が多いのだと思うけれど、だからこそ、そんな人に寄り添う意味があるでしょうって。
吃音ほっとでできること、あるね って☆
ごめん、なんか感情ボリュームがマックスで 笑」
彼女は、一度にたくさんの吃音をお持ちの方と出会うこと、お話を聞くことが初めての経験でしたが、映画 「 When I Stutter 」や、日本では言友会の皆さんがスピーチしてくださった 「 マイメッセージ 」 が本当に大切な機会となったようで、とてもありがたかったです。
まだまだ、経験はたくさん!
「親の会」のお話をお聞きして、
親御さんのココロのサポートの大切さを改めて感じたこともありましたし、
当事者同士が繋がっていくことの大切さも、言友会の皆さまの姿を見て感じました。
話は尽きないのですが。。。
最後に2つ、深く印象に残ったことをば。
1つは、「ワールドカフェ」というプログラムでの一幕。
たまたま同じテーブルに当事者のソーシャルワーカーさん、医師の卵さんと同席になった時がありました。
心理職の筆者も含め、それぞれのフィールドでもっと吃音の理解を広げたいよね、社会に繋げられる伸びしろ、たくさんあるよね! いる場所は違うけど、想う事、目指すことは1つ☆ 繋がってるね。
みんなお互いに頑張ろう! … と分かち合えた一幕がありました。
何年後かに同じメンバーでもう1度会ってみたいなぁ、と思ったひと時でした。
そして、もう1つは、
森先生の3日目の基調講演をはじめ、他の口頭発表でも、
「 吃音治療そのものにフォーカスを当てない 」 がキーワードになっているものが、いくつもあったなぁ … と。
こうして、心理の畑でできることが、たーーーーーーっくさんあることを確信し、
焦げるような暑さの中、熱い想いで帰路につきました。
いろいろな方の吃音への想いに触れ、これからも更に精進していこうと、ココロに誓った広島ステイでした。
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東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チーム
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障害者手帳って取得できるの?
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チームです。
「 吃音って障害者手帳、とれるの?」
気になってネットで調べても、こんなに情報が溢れているにも拘らず
見つからない。。。なんだよ、困ったなぁ。。。どこに訊けばいいんだよ。。
そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回はちょっと固い事務的なノートのようになっちゃいましたが、
いくつか手帳にまつわるお話を。
★吃音でも障害者手帳って取れるの?
障害者手帳を取得することは、できます。
ポイントは2つ。
①吃音が対象になる手帳は、正式には 「 精神障害者保健福祉手帳 」 といいます。
「身体」 ではなく 「 精神 」 の方です。
②ただ、実際問題として、どうやら取得は簡単とは言えないようです。
★どうやったら手帳を取れるの?
手帳の申請には、医療機関の(受診記録を含む)診断書が必要になります。
最初に受診してから6か月後、再度受診した時に、手帳の適用範囲である状態が6か月続いていると診断されたら、申請ができるようになります。
申請書類は、市区町村の障害者福祉担当の窓口へ取りに行き、
医療機関で診断書を書いて貰ったら、必要事項を記入して、再び窓口に提出します。
審査には1~2か月かかるようです。
ここでのポイントは2つ
①今受診しても、すぐに申請ができないこと。(6か月かかる)
②吃音に精通している医療機関にかかること。 ( ←ここ大切!)
★どの病院に行ったら診断書を書いてくれるの?
耳鼻咽喉科、精神科・心療内科になりますが、上記の科ならどこでもOKかというと、そうとは限りません。
むしろ逆で、どちらの科であっても、吃音を診察してくれる医療機関がとても少ないのです。
HPなどで吃音について詳しく記載しているような医療機関以外にも、
お近くの自治体(市区町村)の障害者福祉担当の窓口に行くか、メール等で問い合わせてみるのも手です。
★どれくらいの症状だったら手帳がもらえるの?
厚生労働省のHP >「 対象となる方 」 によりますと↓
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html
果てしなくシンプルにお伝えしますと
1級 : 日常生活ができない ( 食事・入浴・通院服薬・意思伝達etc.ができない )
2級 : 日常生活に著しい制限がある (上記を援助なしにはできない )
3級 : 日常生活もしくは 社会生活 に制限がある ( なお援助が必要な時もある )
※これらは あくまでも目安 でして、
実際に審査する機関で判定されるものとギャップがある場合も、往々にしてあるようです。
基本的には社会生活ができているのだけれども、一部分で制限があるような場合は3級、でしょうか。
ただ …
吃音の部分が全体の発話の多くを占めていて、
明らかに意思の疎通がままならない etc. なら、
その辛さと深刻さが 一目ならぬ、一聞きで明確に分かり、理解されやすいのですが、
そうでない、第3層、第4層における心理的な苦しさと、そこからの行動制限がメインですと、この「一部分」の辛さや困り感が、いかに深刻で、影響力が大きいのかをなかなか理解してもらいづらく。。
例えば、
職場の電話が怖くて出られない。業務に支障が出てしまう。上司からも怒られる。
電話する時、職場の全員が自分の電話に聞き耳立てているようで生きた心地がしない。。
こんな事が来る日も来る日も。。
こういう辛さの捉え方・受け取り方における、当事者と医療側の見解のギャップが「 取得の難しさ 」にも繋がっているようです。
そこで! 吃音に精通した医療機関がとっても大切になってくるのですね。。(しみじみ)
★そもそも手帳を取ってメリットがあるの?
<メリット>としては
所得税や住民税の控除
また、自治体によって
・バスやタクシーの運賃 (JR・航空各社は対象外)
・携帯電話料金
・施設の入場料
等の割引もあったりするようです。
(HNK受信料、自動車税、上下水道料金の減免は、3級は対象外)
障害者枠での就職ができるので、職探しの時に有効に使えるケースもあります。
自分の吃音を周りに分かってもらいたい派であれば、手帳が客観的に証するものになり得ます。
<デメリット>としては
・手帳の名前そのもので 「 気持ちが落ちる 」 「 やっぱり受け入れたくない 」 になる人もいる。
・手帳をもっていることについて周囲から理解を得られるか不安になる人もいる。
・取得していることを職場etc.知られなくない(隠しておきたい)場合には、使えないメリットがある。
・2年ごとに更新をしなければならないので、面倒。
因みに、この手帳は取得後、途中で返すこともできますし、更新しないこともできます。
人によって、ニーズや価値観は違いますので、「 自分軸 」 をしっかり持って、メリットとデメリットをじっくり考えたいですね。
「吃音ほっと」では、臨床的な吃音の改善やアドバイス、
また、法制度に関する件、医療機関や自助グループetc.の情報提供・ご相談は行っておりません。
気持ちの吐き出し・電話の練習としてどうぞご利用くださいませ。
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東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チーム
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SNSで、こころを繋ぐ。
辛すぎて、声にできないとき。
誰にも聞かれたくなくて、声に出せないとき。
話す気力もないくらい、こころのエネルギーがなくなっているとき。
人に会うのが億劫なとき。
そんなとき、私たちのSNSほっとラインを思い出して欲しくて、動画を作りました。
ひとりぼっちだなと思った時、どうか思い出してください。
あなたがどんな人で、どんな状況にあるのか、私たちからは見えないけれど。
私とあなたは、文字の力で、つながることができます。
安心
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チームです。
こころのほっとラインにて吃音をお持ちの方のお話をお聴きする私達の心得として、
「うまく話せていますよ」「しっかり問題なく聞き取れていますよ」的なフィードバックは
リクエストがない限り入れないようにしています。
コミュニケーションで本当に大切なのは、話の中身。
その感覚を養っていただく意味もあり、
こちらが聞き取れているか、上手く話せているか、ということには囚われず
お話していただけるように、です。
ですが、時々、「話、伝わっていますか?大丈夫ですか? 」 と訊かれることがあります。
多少の連発・伸発・難発があろうと、
私達のみならず、一般的にも通話には支障がない感じなので、
「伝わっていますか?」と質問されること自体に 「?」 と感じることさえあるくらいです。
ですが、こうしてさほど気にならないレベルまで
当事者の方は気になってしまって、不安のアンテナを張り巡らされているんだな、ということに
この「吃音ほっと」を繰り返しお受けしている内に気付かさせられました。
吃音が出ながらも、内容はちゃんと伝わってる。
「あの、僕の話していること、分かりますか?」
「もちろんですよ。」
タイミングをみながら、時折、伝え返しをしているけれども、
そうじゃない、はっきりと 「 理解できてる。伝わってる。」をダイレクトに言葉にすると
安心するのでしょうか、その後の会話に難発が殆ど出てこない。。
「今、言い換えはどのくらいしていましたか?」
「え?ほとんどしませんでした。」
伝わっていないかも、上手くできないかも、という不安と恐怖が
どれだけ体のどこかをこわばらせ、声を出さなくしてしまうのか … 想いを馳せずにはいられません。
意外とイケるんだ。
それはスラスラ話せるからイケるのではなく、
電話であっても、顔が見えない音声だけの場であっても、実際多少詰まったところで意外と結構大丈夫なんだ。
… そんな 「 ココロの場慣れ 」 をこころのほっとラインでできればいいな、と思っています。
いちいち「伝わってる」を確認できないと、安心して言葉が出てこない。
そんな条件付けがついてしまわないように、
私達はいちいち「伝わってるよ」は言わないようにしています。
ひたすらお話いただく内容に耳を傾けています。
その一方で、
気になる方もいらっしゃるのは事実。
はっきり確認できることで、自分の中で安心と自信が構築できるのであれば、
みなさんから 「 今の大丈夫だった?」と、その案配をどうぞご質問なさってくださいね。
「 すんなり言えるようになりましたー! 」
のご感想も嬉しいです。
ですが、それ以上に、
「 詰まっても大丈夫って、度胸がちょっとつきましたー! 」
「(良い意味で)どうでもよくなってきましたー。」
のお声もすごく嬉しいです。
そして、最も嬉しいのは、
まだまだその段階までいかない方々からの
「 またかけてもいいですか? また付き合ってもらってもいいですか? 」
というお声。
もちろん! いくらでも! 何度でも! 喜んで!!!
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東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チーム
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KIFU BARに行ってみた
ホームページのSEO対策で、瀕死の重傷を負った(そのことはいつかまた報告します)時に助けてくれたNPO Marketing Laboさんのお誘いを受けてKIFU BARに参加してきました。
KIFU BARとは、同団体が主催する毎月1回(最近は水曜日が多いらしい)20:00~22:00の2時間開催されているNPO/NGOのイベントです。
毎回2つの団体が約10分間自分たちの活動をプレゼンし、残りの時間帯で質疑応答や、参加者同士の交流を図るという企画。
飲食代の40%が登壇したNPOに寄付されるという仕組みで、盛り上がって飲めば飲むほど応援したいNPOの支援になるという面白い仕組みです。
会場となるお店は、わかりやすい場所のはずなのに、看板が小さかったためなかなか見つけることができず、赤坂見附の街の中をスマホ片手にうろうろ。
でも同じようにきょろきょろ歩きをしている二人組が消えて行ったビルについて行ったら、ひっそりとした「Fiore Aksaka」の文字を発見。どうにか遅刻せずに済むと思いながら5階の会場へ。
会場に着いたのは5分前の19時55分。
受付を済ませ、ドリンクを受け取って会場に入ると、すでに二つの人だかりができて大きな盛り上がり。
「常連さんばかりの集まりかな?ちょっと入りづらいかも」って思いながら輪に入るタイミングを計っていたら、その固まりのあちこちで名刺交換がスタート。
どうも仲良さそうだけど、他人同士のようだぞ、とちょっと安心し、輪の中に合流。
聞いてみると旧知の知り合いのように話していた、そのほとんどの人たちが10分前に知り合ったばかりの人たち。一人で、イベントに参加しようと思う人たちは社交性が高いようですね。
やや時間が過ぎたところで、KIFU BARのイベントがスタート。
まずはMarketing Laboの若手二人の司会で、KIFU BARの趣旨や仕組みを説明。
何とも明るい二人のファシリテーションで、イベントは常に雰囲気は明るく、和やかに進行します。
しばしの歓談タイムを経て、メインディッシュの2団体による活動のプレゼンテーション。
今回のご登壇の1団体目は、Google Adwordsを活用して自殺防止に取り組むNPO法人OVAさん。
Googleで自殺に関連する言葉で検索すると「相談を受ける」旨の広告が表示され、そこからメールやSkypeでの相談につなげ、自殺を防止するという取り組みです。
以前からこの取り組みを知っており、直接お話が聞けるとあって、僕は興味津々。
「声なき声にこたえたい」と、東京メンタルヘルス・スクエアの「いじめ・自殺・不登校ゼロプロジェクト」の趣旨と同じお話を聞くことができ、これは絶対お友達になって、協力関係を作らねば、、、と想い、しっかりとお話を聞き、しっかり名刺交換をしてきました。
もう1団体はアフリカと日本の文化交流を進めるNPO法人AYINAさん。
先進国がアフリカに最新技術を導入して一気に近代化することに疑問を持ち、現地の青少年に対するリーダーシップの育成や教育を最も大切な活動としている団体です。
登壇者の副責任者のパワーがすごい。しゃべらなくてもいでたちだけで存在感が絶大。
しかもしゃべりだすとそのパワーが倍増して、すぐにでもアフリカに行ってみたくさせてしまう魅力の持ち主でした。
2団体ともカラーは異なるものの、自分たちの活動に対する熱い気持ちが伝わってきて、参加者たちも聞きたいことが山ほどあって、質問の嵐。
2時間のうち1時間強がフリータイムのはずなのに、ほとんどがプレゼンとQAで費やされてしまいました。
KIFU BARの参加者はやはりNPO関係者が中心。主催のMarketing Laboさんのつながりで来ている人が多数ではあるものの、Facebookで見つけて一人できた大学生や、個人事業主の人たちもおり、異業種交流会としても機能している感じでした。
21:50にはイベントが終了。その日の上り?の40%が二つの団体の登壇者に手渡されます。
僕らが飲んだお酒の一部が、その場で封筒に包まれ2団体の元に。
この生々しい儀式もKIFU BARの面白さの一つかもしれないです。
そして最後は参加者全員での記念写真。
たった2時間でしたが、いくつかの団体、何人かの個人と意気投合して対話。もしかしたらこの先どこかで一緒に活動させてもらうかもしれません。
何気なく、軽い気持ちで行ってきたKIFU BARですが、もしかしたら貴重な出会いを作ってくれたのかもしれません。
月に1回のイベント。また時間があったら参加してみたいと思っています。
みずぬま